東京大学では、2021年9月にU-Tokyo Compassという理念を掲げ、社会との対話や信頼、協創を通じて、人類が直面するさまざまな地球規模の課題解決に取り組んでいます。また、その取り組みにあたっては、「知をきわめる」「人をはぐくむ」「場をつくる」という3つの視点を実践し、大学としての経営力を高めています。
2023年4月に、三菱電機との間で未来デザイン会議を設立し、あるべき未来社会について議論し、その実現に向けた道筋をデザインする活動をスタートしました。
現代社会が抱える複雑な社会課題を解決するためのデザインには、多様な分野の学術知と、現場の知の融合が不可欠だと考えています。今回、東京大学がもつ文理にまたがる学術知と、三菱電機が事業を通して培ってきた現場の知を持ち寄り、ユーザの目線を大事にしながら、統合しデザインを進めることで、「知をきわめて」まいります。また、次世代の未来デザインを担う人材育成を進めることで「人をはぐくみ」、成果を発信し、社会と対話する「場をつくる」活動も並行して進めていきます。そして、こうした活動を、東京大学単独ではなく、三菱電機と一緒に進めることでこそ、必要な総合知とグローバルなユーザー目線が備わり、真の未来デザインになるものと確信しています。
三菱電機では、サステナビリティの実現を経営の根幹に据え、「カーボンニュートラル」「サーキュラーエコノミ―」「安心・安全」「インクルージョン」「ウェルビーイング」の5つを注力する課題領域とし、事業を通じた社会課題解決を推進しています。
このたび、さまざまな課題を克服したありたい未来社会の姿について議論し、それを実現するための道筋を描いていくための共同研究体「三菱電機-東京大学 未来デザイン会議」を設立しました。未来デザイン会議では、今後起こりうるさまざまな事象が、どのような社会の到来をもたらすのかを大胆に推測し、私たちの望む社会を実現するためには今何をすべきか、今後何に取り組むべきかを考察し、推進していきます。
現在、われわれが直面している社会課題の多くは、一企業の努力だけで解決できるものではなく、さまざまなステークホルダーの皆様とともに取り組む必要があると考えています。今般、多様な分野で高い知見を有する東京大学との連携により、われわれの知見を高めながら、同じ志をもち、ともに活動していただけるパートナーの方々を探し、ともに社会課題の解決に取り組んでいきたいと思います。