RESEARCH

サーキュラーエコノミーの必要性

 従来の大量生産・大量消費型の社会経済活動は、地球上の気候変動や生物多様性の破壊、希少な天然資源の枯渇、廃棄物の大量発生などの様々な環境問題をもたらしています。また、レアアース等の重要鉱物資源は、先進IT製品等の製造に必要不可欠である一方、資源の安定供給が課題となっています。このような観点から、限られた資源を最大限に循環させることで環境負荷を低減しつつ経済的な成長も達成するサーキュラーエコノミーの実現が強く求められています。

社会連携講座の設立

 三菱電機と東京大学は今年4月1日、さまざまな社会課題を克服したありたい未来社会の姿について議論し、それを実現するための道筋を描いていく共同研究体「三菱電機-東京大学 未来デザイン会議」を設立し、議論を進めてきました。そのなかで、地球規模で解決すべき課題であるサーキュラーエコノミーこそ、社会の一員である両者が率先して取り組むべき重要課題と位置づけ、このたび、その実現に向けた方策を検討する社会連携講座を東京大学に開設するに至りました。

サーキュラーエコノミー実現への挑戦

 サーキュラーエコノミーの実現にあたっては、環境負荷の低減と同時に、エコシステムを構成するステークホルダーの経済合理性を成立させることが重要です。そこで、本講座では、エコシステム全体のモデル化に取り組むとともに、モデルを用いたシミュレーションによりステークホルダー間の関係性を整理したうえで、経済合理性を阻害する要因を探求し、その解決に向けた研究を進めます。三菱電機が保有するさまざまな事業・製品をモデルケースとして検証を進めることで、各ステークホルダーの果たす役割や、民間企業における最適な事業モデルのあり方、法規制のあり方などを明らかにし、実効性のあるエコシステムの実現を目指します。
 取り組みの中で得られた成果は、学会やオープンフォーラムなどの場で順次発表するとともに、このホームページにて公開していきます。また、研究成果の事業への活用や仲間づくり、行政への政策提言などを通じ、社会実装を進めていきます。

社会連携講座における研究開発の全体像