研究課題 01 |
サーキュラーエコノミーの実現に向けて持続可能な循環経済型未来社会デザイン講座
従来の大量生産・大量消費型の社会経済活動は、地球上の気候変動や生物多様性の破壊、希少な天然資源の枯渇、廃棄物の大量発生などの様々な環境問題をもたらしています。また、レアアース等の重要鉱物資源は、先進IT製品等の製造に必要不可欠である一方、資源の安定供給が課題となっています。このような観点から、限られた資源を最大限に循環させることで環境負荷を低減しつつ経済的な成長も達成するサーキュラーエコノミーの実現が強く求められています。
サーキュラーエコノミーの実現にあたっては、環境負荷の低減と同時に、エコシステムを構成するステークホルダーの経済合理性を成立させることが重要です。そこで、本講座では、エコシステム全体のモデル化に取り組むとともに、モデルを用いたシミュレーションによりステークホルダー間の関係性を整理したうえで、経済合理性を阻害する要因を探求し、その解決に向けた研究を進めます。三菱電機が保有するさまざまな事業・製品をモデルケースとして検証を進めることで、各ステークホルダーの果たす役割や、民間企業における最適な事業モデルのあり方、法規制のあり方などを明らかにし、実効性のあるエコシステムの実現を目指します。
1. 日本製造業の強みを活かした循環経済実現のためのエコシステム全体設計
資源投入量の最小化を意識した循環のあり方や、循環ならではの付加価値の生成について検討し、収益確保と環境負荷低減のデカップリングを実現するエコシステムの姿を設計する。
設計にあたっては、工業製品、または工業製品を製造する工場など、具体的なモデルケースを設定して進める。また、製品ライフサイクル(材料調達、製造、利用、廃棄・再利用に至るプロセス)で得られるデータの利活用を考える。
2. 上記システム実現のボトルネックおよび課題の抽出と、解決策の検討
システムが実装された場合の効果や影響、課題をシミュレーションによって明らかにする。システムの普及率や、企業による製品価格への転嫁、消費者の価値観などをパラメータ化し、その変動が社会や企業業績等に与える影響についても考察するとともに、それら課題の解決策や影響軽減策についても検討する。
ステークホルダーのCE取り組みを促進するためのインセンティブ施策や法規制についても検討する。
※体制図は2023年度時点
■ 講座設立における広報発表・記者会見
■ 講座設立記念シンポジウム(発表資料を含む)
■ 経産省 資源循環経済小委員会での講演資料