2月16日、毎月定例の勉強会(非公開)を開催し、今回は東京大学大学院 農学生命科学研究科 生圏システム学専攻の曽我昌史准教授をお招きしました。
近年、人の健康や福利促進の観点から身近な自然が注目されており、公衆衛生、都市計画、生態学、心理学等の様々な分野で自然が持つ健康便益に関する研究が行われています。本講演では、都市の自然と人の健康の関係について、最新の知見を交えながらお話しいただきました。
現在、社会では人と自然の関わり合いが衰退していますが、自然が持つ身体的健康、精神的健康、社会的健康、認知機能に及ぼす健康効果が明らかになってきました。同じ運動量であっても、緑地での運動は屋内での運動よりも多くの健康便益をもたらす、更に生物相の豊かな公園ではより多くの心理的便益が得られる、などが最新の研究で実証されてきました。
もはや自然体験は嗜好品ではなく「必需品」であるとの言い方ができ、科学的なエビデンスに基づいた都市計画や緑地管理計画を遂行することで、人が住みやすい都市を作ることが可能と考えられます。
新鮮な内容で印象深く、「三菱電機-東京大学 未来デザイン会議」としましても、今後の取り組み方の検討に大いに参考にさせていただきたいと思います。