未来デザイン会議では毎月定例の勉強会を行っておりますが、次期社会連携講座開設に向けて集中勉強会を開催いたしました。8月5日には第二回目の集中勉強会(非公開)を実施し、東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻の青山和浩教授と菅野太郎准教授をお招きしました。
一人目の青山教授の講演は『労働者の個性を重視するための製造モニタリング(労働集約型産業における取組)』というタイトルで行われました。ダイバーシティ&インクルージョンや品質管理についての議論から始まり、製作現場の見える化(モニタリング)を通じて品質の向上を図るための観点について議論が行われました。変動する人の要素(体調、体格、技術など)に依存したバラつきをどう考慮して品質を確保するか、一方でダイバーシティを受け入れることで様々な状況が変化するこれからの社会において、品質にどう向き合うべきか、考え方を変えていく必要があるのか、様々考えさせられる講演でした。
二人目の菅野准教授の講演は『チーム協調・組織連携の高度化に向けた認知システム工学的アプローチ』というタイトルで行われました。人の認知(何を見て、何を考えるのか)、複数の作業者がいる時にどんな問題が起こるかをベースに議論が行われました。講義の中では、コンテキストとは何か、知識誘出といった内容が取り上げられました。チームとして連携を向上させるために、相互信念を醸成し、調整するためにどうすべきか、企業という組織の中での相互信念(その実現方法について相互に了解、共有していること)を醸成するにはどうしたらよいかを考えさせられる講演でした。