三菱電機-東京大学 未来デザイン会議では、今後起こりうるさまざまな事象がどのような社会の到来をもたらすかを大胆に推測し、これらを克服した「ありたい未来社会の姿」について議論すると共に、それを実現するための道筋を描いています。その一環として、様々な分野でご活躍の有識者の方々をお招きし、ご専門分野に関する最新動向やお考えを学ぶ勉強会(非公開)を開催しています。
25年度第5回目の勉強会を2月17日に開催しました。今回は、東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻の松橋隆治教授をお招きし、「エネルギーシステムにおけるS+3Eの確保とエネルギーインフラの課題」についてご講演いただきました。
ご講演のはじめに、エネルギーを巡る世界の情勢は混迷の中にあるとの課題認識が示されました。S+3E(安全性、安定供給性、経済効率性、環境適合性)の各項目について具体的な情勢、課題と対応について解説いただき、中でもエネルギー安全保障がより重大な意味をもってきているとのお話がありました。
続いて、既設のエネルギーインフラの有効利用の意義と重要性、原子力に比べて安全性が高いと言われる核融合発電をベース電源として活用する可能性について、エネルギーシステムの観点からご説明いただきました。核融合発電自体には、連続的な発電技術の確立や経済性確保等の大きな課題がありますが、原子力や火力同様、電力系統に事故があっても電力を安定供給できる慣性力を備えており、より安全なベース電源として普及すれば、再エネ電源が増えても全体としてエネルギーを安定供給できるなど、S+3Eの確保に有効であるとのお考えが示されました。


これまで核融合発電は、規模の大きさや技術の高度さからコア技術単独で議論されてきた感が有りますが、社会全体への影響、とりわけ他の既存あるいは将来のインフラへの影響も併せて考え始めて良い時期に差し掛かっているかもしれないと感じました。